iPhone11が発売になり、気になる海外版と中国・香港版のLTEバンド対応状況を調べました。
以前のモデルiPhoneXR、iPhone8の対応LTEバンドの比較について書いたのは、以下の記事です。
iPhone11には、他にiPhone11Pro、iPhone11Pro Maxがありますが、対応するLTEバンドは3機種とも共通です。
ただし販売する地域により、北米版、中国・香港版、グローバル・日本版と3つのモデルに分かれています。
そしてデュアルSIMとして人気の高い中国・香港版と、グローバル(台湾含む)・日本版で対応するLTEバンドにどの様な違いがあるのか、気になるところです。
そこでiPhone11各モデルの対応LTEバンドについて調べてみました。
LTEバンド対応表
結論から申し上げますと日本で提供されている11のLTEバンドのうち、グローバル・日本版は全て対応、中国・香港版で8バンド対応になっています。
まずiPhone 11の各地域のモデルNo.はこのようになっています。
モデルNo. | 北米 | 中国・香港 | グロ・日本 |
iPhone 11 | A2111 | A2223 | A2221 |
iPhone 11 Pro | A2160 | A2217 | A2215 |
iPhone11ProMax | A2161 | A2220 | A2218 |
グロはグローバルモデルの略です。
海外版と国内版の地域モデル別LTEバンド対応表
まずは以下の対応表をご覧ください。
青背景が日本で使われているバンドです。地域・キャリアは使用できる代表的な地域を記載してあります。
グローバル・日本モデルは、殆どの周波数をカバーしており、世界の主要バンドにも対応していることがわかります。
これならば海外で、海外のSIMカードを使っても不便は全ないと思います。
日本で提供されている11のLTEバンドのうち、グローバル・日本版は全て対応していています。(アンドロイドの機種は、全てのバンドに対応しているものは少ない)
詳しい対応状況は記事の最後の方、各バンドの詳細で説明しています。
中国・香港版は
気になる中国・香港版はバンド11、21、28に非対応となっています。
全てのバンドに対応しているのが理想ですが、非対応のバンドはキャリアによる違いもありますが、一部の地域を除きメジャーなバンドではありません。
ただし、バンド11と21は高速通信用のキャリアアグリゲーションで使用している為、やや不利かもしれません。
上記のような特殊な状況でなければ、中国・香港版で不便を感じることは無いように思われます。
そこで非対応になっているバンドも含め、各バンドの特徴を説明します。
各バンドの特徴
各バンドの1から始まって42まである数字の後ろにある周波数ですが、数字が小さいほどつながりやすく、数字が大きいほど速度が速い性質があります。
各バンドの詳細
それでは使えないバンドはどのような役割があるのか、各バンドの特徴と基地局の数について説明します。
・バンド1 (2100MHz)
日本のキャリアのLTE主要バンドです。中でもdocomoの基地局が多く、力を入れているバンド。
docomoのSIMを使い、国内の様々な場所で接続テストをしましたが、大体このバンド1か、次のバンド3に接続されることが多い。
日本以外フィリピン、タイ、韓国などアジアで広く使われています。
・バンド3 (1800MHz)
docomoは東名阪限定の基地局、Y!mobile・softbankが全国で使用している。
アジア全域、欧州各国の213キャリアで使われており、海外では最も主要なバンドです。
・バンド8 (900MHz)
softbankが独占的に使用しているプラチナバンドです。台湾・韓国・シンガポールなどアジアでも主要なバンドです。
・バンド11 (1500MHz)
auが一部の地域、softbankが全国で使用しているが基地局少ない。
・バンド18 (800MHz)
・バンド19 (800MHz)
docomoで主に郊外や山間部での接続に使用しており、地方でつながりやすいのはこのバンドを使用しているため。
・バンド21 (1500MHz)
docomoが都市部の地域限定(東名阪)で使用。基地局の数少ない。
・バンド26 (800MHz)
・バンド28(700APTMHz)
auとdocomoが地域限定で使用しており、基地局の数が12のバンドの中で一番少ない。
台湾、フランスなどで使用。
・バンド41 (TD2500)
高速通信用バンド。UQモバイルのWiMAX2+、ワイアレスシティプランニング(AXGP)が割り当てられているものをsoftbankが地域限定で使用。基地局の数多い。
ドコモは未対応。
中国(China Mobile)、フィリピン(Globe)、アメリカ(Sprint)で使われています。
・バンド42 (TD3500)
3大キャリアの高速通信用に使用。他のバンドに比べ、基地局の数はまだ少ないが、特にdocomoとsoftbank系の基地局が多い。
結論
日本と同じグローバルモデルを発売している台湾でiPhone11を買えば、技適マークもついているし、シャッター音も消すことができるので、そちらも魅力ですね。
台湾でそのiPhone11を買った記事はこちらです。
*注意:国内で技適マークのない海外版を使用するのは、厳密に言えば電波法違反となります。あくまで自己責任において使用してください。